ミツバチからの恵み──ハチミツとプロポリス シャクマンデス×山崎泉×辻口博啓

辻口シェフと親交が深く、以前にも対談にご出演いただいた、パリ「レザベイユ」のオーナー・養蜂家 シャクマンデスさん。今回シャクマンデスさんの来日に合わせ、レザベイユのハチミツを日本で展開している「レザベイユ・ジャポン」代表 山崎泉さんも同席して対談を行いました。ミツバチのもたらす恩恵、そして紀元前のエジプトでも活用されていたというプロポリスの魅力について語ります。

文 橋本紀子  写真 堀口宏明

レザベイユのハチミツとの出合い

辻口: 山崎さんは「レザベイユ・ジャポン」を設立してシャクマンデスさんのハチミツを日本に紹介していますが、そもそも始めるきっかけは?

山崎: 私はフランスの食品などを扱う貿易会社に勤めていたんですが、たとえばジャムを卸すとして、日本ではいつも色が一定であることが求められます。でも、フランスに問い合わせると季節によって素材の色が変わるのはあたりまえで。

辻口: むしろ自然なことなんですね。

山崎: そうなんです。常に同じ色にするには着色料などを使わないと難しい。本当に自然なことのほうが日本ではクレームになっていることに気づきました。そこからフランスでの生活をもっと知りたいと思い始め、退職してパリに渡り、お菓子の専門学校に通いながら働くことに。
パリでは、主にお菓子のコンクールの日本代表で来られるシェフたちのアテンドや通訳をしていました。シェフたちが滞在される間、ご案内するのにふさわしいお店を探していて、「レザベイユ」を知ったんです。パリ近郊で養蜂をしているシャクマンデスさんのハチミツのお店で、ここはハチミツ王国のフランスのなかでも特別な存在です。

辻口: レザベイユはパリのホテルリッツなど超一流のホテルにも選ばれていますよね。僕も山崎さんがまだパリで暮らしていた頃に紹介してもらって、以来「レザベイユ」のハチミツはお菓子づくりに生かしているし、僕自身もヨーグルトにかけて毎朝のように食べています。濃厚な味わいで、口のなかに広がると花畑や野山のきれいな風景が浮かんでくるようです。

山崎: 私もレザイベイユのハチミツが、それまで日本でハチミツと思っていたものとあまりに違っていて、驚きました。蜜源となる花や植物の違いによりハチミツにもさまざまな種類がありますが、それぞれ色も香りも味わいもまるで違んです。こんなにいいものなのだからもっと知ってほしいと強く思いました。そうしているうち、辻口シェフもそうですが、紹介した方々から「日本のお店に置くから仕入れて」という依頼が増えて、フランスで会社を立ち上げることになりました。しばらく向こうから発信していましたが広めるには日本での拠点が必要だと考え、帰国して2005年に会社を始め、いま6年が経ったところです。