日本から世界へ MORI YOSHIDA 吉田守秀×辻口博啓

今回の対談ゲストは、パリ「MORI YOSHIDA」の吉田守秀シェフです。2013年4月にパリにパティスリー「MORI YOSHIDA」をオープンし、2014年10〜11月に開催された「サロン・デュ・ショコラ パリ」では、品評会C.C.C.に初出品ながら壇上で授賞する快挙を遂げ、日本でもその動向が注目されている吉田シェフ。このたび、日本での催事出店のため来日中の吉田シェフを迎え、辻口シェフとの対談トークショーが一般社団法人 日本スイーツ協会のスイーツコンシェルジュ会員向けイベントとして開催されました。世界で活躍する二人の対談の模様を、ぜひお楽しみください。

文 編集部 写真 中本浩平

1. 2014 サロン・デュ・ショコラ パリを振り返る

吉田: サロン・デュ・ショコラ パリは世界最大級のチョコレートの見本市で、世界各国のショコラトリーのブース出展やファッションショー、そしてデモンストレーションや各国のショコラの歴史などの展示もある、チョコレートをさまざまな角度から楽しめるイベントです。

辻口: 全世界からさまざまなカカオティエの方がオリジナルのカカオやチョコレートを手にしてブースを回って、自分のチョコレートを使ってくれませんか、と訪ねてきます。ベネズエラやベトナムなど、さらにフランスにいながらして世界各国のカカオを集めてカカオティエをやられている方などもいて。
例えばペルーの「ホワイトカカオ」などのような生産量が少なく大手では扱えないような希少なカカオなど、非常に個性的なカカオと出会うことができる。今回のサロン・デュ・ショコラ パリの一番の収穫が、そういったカカオティエとの出会いでした。

吉田: 今回のサロン・デュ・ショコラ パリでは、僕はブースを出さず、初めてC.C.C.の品評会に出品したのですが、出品したからこそ辻口さんや小山さんなどと話ができたりといった、ショコラティエ同士のつながりができました。今までは自分の枠の中だけで美味しいものができればいい、と思っていた部分もあったのですが、さまざまな方の意見を伺って、多くのチョコと出会い、今まで自分が美味しいと思っていたものより実際はもっとおいしいものがあって、といった積み重ねもあって。きっと辻口さんはもう経験済みだと思うんですが、僕は今回の経験をもとにこれからどうしていこうか、という段階だと思っています。

辻口: 実は僕、吉田シェフのお店で前回の2013 サロン・デュ・ショコラ パリのファッションショーに出展した服を1年間預かってもらっていたんですよ(笑)。吉田シェフに「次のサロン・デュ・ショコラまで預かってくれないか」とお願いしたところ快くOKしていただいて。そこからなんていい人なんだ、と(笑)応援しようという気持ちも芽生えてきました。日本から単身パリに乗り込んでいく気概があるシェフも珍しく、非常に根性が座っているな、と。

2013年サロン・デュ・ショコラ パリがファッションショーの初参加だったのですが、ファッションショーにはまだアジア人が出ていない、ということで声をかけられての参加でした。一番大変だったのは、ファッションショー用の衣装を日本からフランスに持って行くこと。フランスの空港では何度も止められました(笑)。ショーでは観客の人数も多く、かなり盛り上がりましたね。2回目の2014年では、慣れたのでリラックスして参加できました。

吉田: 実際見ていて、壮大な感じでした。本気のモデルさんたちがウォーキングすることもあり、サロン・デュ・ショコラで一番盛り上がる部分でしたね。ファッションショーが始まるという会場アナウンスがあると、お客さんが一斉に集まって人だかりができるんですよ。

辻口: アシダタエさんとのコラボレーションの経緯は、共通の知り合いのデザイナー、鬼丸トシヒロさんからアシダタエさんを紹介いただいて。タエさんは以前はジャン=ポール・エヴァンと組んだ事があったのですが、今回は僕とコラボすることになりました。タエさんがベースのドレスをデザインし、僕がショコラなどでコラージュしていきます。制作期間は、硬めたりする時間が必要なこともあり、1ヶ月くらいでした。デコレーションには、シリコンや木なども使ってチョコレート色に見せているパーツもありますので、全部が食べられるチョコレートというわけではないんですよ。

そして、ステージ上のデモンストレーションでは、「仙台伊達家御用蔵 勝山」の日本酒を持ち込んで、杯に日本酒を注ぎチョコレートを浮かべて、みんなで日本流の乾杯をする、ということをやりました。来年も多分やると思います(笑)